雪崩のように社員が退職する組織で思ったこと

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これは退職者アドベントカレンダー2017の18日目の記事です。

前書き

2016年10月から2017年11月まで1年間、人材系の会社に勤めていました。

社員1000名を超える大きな会社でしたが、ほとんどの人は営業職で、社内の技術部門は40〜50名と大変少ない人数で回していました。

わたしはエンジニア未経験でこの会社に転職し、ディレクターの部門に所属しながら、技術部門と兼務しているシニアエンジニアの方に開発を少しずつ教えていただいてきました。


雪崩のきっかけ

今年の6月に、念願叶って企画部門から技術部門に異動しました。 異動して初めて気づいたことですが、技術部門の半数はベンダー管理やマネジメント職で、開発エンジニアはとても人数が少なく、肩身が狭い環境でした。

もちろん、このような開発環境を改善しようとしているベテランエンジニアの方々もいました(今でもいます)。 しかし、今年の春先〜初夏にかけて、2名のベテランの方が退職されました。

お二方の退職前後には一つの大きなプロジェクトのゴールと、そのプロジェクトに関わる大きな出来事がありました。

具体的な内容はお話できないのですが、エンジニアに限らず社員が大切にされていないのでは、と感じる悲しい出来事でした。

そこから雪崩を起こすように周囲の人が辞めて行きました。

もともと多くはない開発エンジニアのうち、マネジメントを担っていた方も含め、1ヶ月から2週間に1回のペースで誰かがいなくなりました。

あまりにたくさんの人が辞めて行くため、最終的には「〇〇までに退職するつもり」「自分も退職したい」「転職活動はどうだったか」などという話が(特に若手の間では)オープンになされるようになっていきました。


何が起こったか

人手不足と人余り

内製開発チームで教える人手不足・教わる人余りになりました。

開発リーダーを担い、未熟なチームメンバーの面倒を見られるスキルのある人が数週間おきに辞めていったこと、またビズの都合で将来を見通してプロジェクト計画を立てられなくなったことから、まだ独り立ちできない新卒・第二新卒メンバーがたらい回しのような状況になりました。

開発ネタ不足

また、内製開発のネタが不足しました。

外注の開発に頼る会社で内製開発は降って湧くものではなく、誰かがつくるか取ってこなければならないもので、それを担うポジションの人がいなくなったため起こったことでした。

これは本当に悔しく、早く一人前になって、仕事を取ってきてチームメンバーに回せる人になりたいと強く思いました。

疑心暗記

理由は不明ですが、開発部門では退職者を最終出社日ぎりぎりまで発表しないという方針でした。 最初は決められた日まで誰にも明かしてはいけないという話だったようです。

その後、どんどん退職者が増えて行くにつれ最終出社日の発表は少しずつ早まり、最終的にはチームメンバーや同じ課のメンバーには1ヶ月前くらいには通知されるようになって行きました。

それでも遅いので、退職者はそれぞれ同じポジションの人や同じ仕事をしている人同士でもっと早く内々に話すようになりました。

一つの組織の中で、一部の人には情報がオープンになっていて一部はクローズドという状況は大変仕事がしづらかったです。


何を考えたか

自分の潮時を決めた

自分がこの会社の仕事を通してやりたいと思ったこと、これがなくなったらやめようと思う条件を書き出しました。 それがこちらのポストに書いたことです。

上のポストを書いたのは、ベテランのエンジニアの方が退職したときでした。(このときは、その後これほど激しい雪崩になるとは思っていませんでした)

このポストが、自身が転職を決意するときの指標になりました。 強く思ったことや考えたことは外に出したり記録したりしたほうがいいと感じました。

やりたくないこと、欲しい能力がはっきりした

所属している組織の我慢できない部分や、自分の力では変えようがないが他の会社に転職すれば解決することが明確になり、転職活動の軸になりました。

詳しくはこちらのポストに書きましたが、全て初めてweb業界に就職したときには絶対に出てこなかったもので、不満があったからこそ生まれたものでした。


終わりに

つらい・悲しい経験は積みたくないものですが、経験してみないとわからないこともあるというのが、3回の就転職を通してよくわかりました。

また、親しくしていた社内の開発エンジニアはほとんどが転職していってしまいましたが、同じ傾向を持つエンジニアには必ずどこかで近いうちに会うということも実感しています。(既にtwitterや勉強会であったり、一緒に開発したりしています)

会社に命運をまかせる必要がなく、プロジェクト単位で就職や転職を決められるエンジニア職は幸せだと思っています。

新しく働き始めた会社では、腰を据えて開発を行い、サービスのグロースを実感できるようにしたいと思っています。

がんばります!